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2020/06/30 20:57


Monkey in Yellow 



東南アジア育ちの次世代ポップマエストロ。

そのイタズラ心に溢れた音のルーツに迫る。


Monkey in Yellowの新作ミニアルバム『Heroes & Villains』が、TESTCARD RECORDSよりデジタルリリース。最初に聴いたのは同作にも収録の「Miles Away」のMVだったが、PavementなどのUSインディー的な香りを漂わせつつ、Elephant 6のアーティスト群に通じるカラフルなポップセンスに、また新たな才能との出会いを予感させられた。だが流暢な英語も含めて、洋楽的なバックボーンを持っていることはうかがわせつつ、その正体は謎に包まれている。“次世代ポップマエストロ”と称される音楽性と、資料用のプロフィールに書かれてあった“東南アジア育ちのひねくれ小僧”という言葉からは、気難しい若者の姿を想像してしまいそうにもなるが…。そんな先入観を良い意味で裏切ってくれる、Monkey in Yellowこと清水巌(Iwao Shimizu)へのインタビューがここに実現した。

Interview:大浦実千


「“これをやったらどうなるんだろう?”という好奇心みたいなものは常にあります」


●最初に聴かせてもらったのが、YouTubeに上がっていた「Miles Away」(M-5)のMVだったんです。英語が流暢な印象だったのですが、東南アジア育ちということで帰国子女なんでしょうか?
清水:帰国子女ですね。1歳~15歳まで、ずっと東南アジアで過ごしていました。
●国はどちらに?
清水:タイとベトナムとインドネシアですね。
●そのあたりの国って、英語圏でしたっけ…?
清水:いや、英語圏ではないんですけど、インターナショナルスクールに通う機会があって。そこで英語を覚えた感じですね。
●1歳~15歳までということは思春期も東南アジアで過ごされたわけですが、当時はどんな音楽を聴いていたんですか?
清水:中学生の頃はベトナムに住んでいたんですけど、当時はBUMP OF CHICKENとSum 41しか聴いていなかったですね。
●あ、意外と同世代の日本人の子たちとあまり変わらないものを聴いていたんですね。
清水:ベトナムにいた頃は、日本人学校に通っていたんです。日本人学校って(親の転勤などで)毎年のように生徒が入れ替わるので、そういう中には最新の音楽を持ち込んでくる人もいるんですよ。
●当時から音楽にハマっていたんでしょうか?
清水:ギターは触っていましたけど、まだのめり込んでいる感じではなかったですね。BUMP OF CHICKENの曲を弾いたりはしていました。
●今の音楽性からすると、BUMP OF CHICKENの影響はあまり感じられないように思うのですが…。
清水:でも「Miles Away」(MV ver.)のギターフレーズとかをものすごく注意深く聴いていただくと、実は(ギターの)入れ方とかが無意識的にBUMP OF CHICKENの曲っぽくなっていたりするんですよ。
●えっ、そうなんですか。
清水:これは相当BUMP OF CHICKENが好きな人じゃないと気付かないかもしれないんですけど、リードギターを入れてくるタイミングとかにそういうちょっとしたクセが出ていて。自分では“あ~、BUMPっぽいな”と思っちゃうので、ちょっと恥ずかしいんですよね(笑)。
●実はその影響が今でも出ていると(笑)。高校からは日本に帰ってきたんでしょうか?
清水:高校1年から、日本に戻ってきました。親がそのまま仕事で海外に居続けたこともあって、寮のある学校を探した結果、千葉県柏市の高校に通うことになって。高校の時に周りにいた音楽仲間の友人たちがOasisやブリティッシュロックを好きだったので、そこからすごく影響を受けたんです。気付いたら、自分自身も結構なUKロックファンになっていましたね。
●元々はUKロックのファンだったんですね。今の音楽性からすると、PavementやUSインディーを聴いて育ってきたのかと思っていました。
清水:Pavementにハマったのは、大学からですね。大学の時に初めて聴いて、後頭部を鈍器でガツンと殴られたような感覚になったんです。
●現在につながる音楽性が形作られたのは、高校~大学あたり?
清水:特に大学の時に、一気に固まった感じがします。大学から本格的に、音楽にのめり込んでいきました。
●青山学院大学のビートルズ訳詞研究会に所属していたそうですが、入部の経緯とは?
清水:大学に入ってサークルを探している時に、どこも微妙だなと感じていて…。そんな中で1つだけ“ビートルズ訳詞研究会”という名前からもうトガっているサークルを見つけたので(笑)、“ここしかない!”と思って入りました。
●ビートルズは元々、好きだったんですか?
清水:ビートルズは大好きです。でも本当に好きになったのは、そのサークルに入ってからですね。当初は興味がある程度だったんですけど、サークルに入ってからのめり込んでいった感じです。
●サークルでは、やはりビートルズの曲を演奏していた?
清水:年に1回、文化祭でビートルズの曲だけという縛りでライブをやるんです。でもやっぱり文化祭でできる曲や、みんなが好きな曲というのはカブるわけで。そうなった時にどうするかというと、自分たちでアレンジすることで他の人たちと差別化しようとするんですよね。
●同じ曲でもアレンジを変えて、違う表現をすると。
清水:みんながそれをやってくるので、同じ曲を同じアレンジで聴くことのほうが少ないんです。それは、今の自分の曲作りにもつながっているかもしれないですね。
●サークル活動で得たものが、今の作曲法にもつながっているんですね。
清水:そこは間違いなく、つながっていると思います。あと、ビートルズは再現不可能な曲がたくさんあると思うんですけど、それをあえて自分たちなりに頭を使って再現するということもみんなやっていて。それも良い刺激になりましたね。
●当時はバンド形態で活動していたんですか?
清水:バンドをやっていたんですけど、あまり上手くいっていなかったですね。しかも手を怪我して、ギターを弾けない時期があったんですよ。その時にiPhoneのGarageBandのアプリを使って、曲を作ることにハマって。「ひょっとしてDTMをきちんと学べば、それなりにちゃんとしたものを作れるのかな」と思ったのが大学4年生くらいでした。そこから就活を終えて、宅録にのめり込んでいった感じです。
●浜松で活動していた時期があるのは、就職の関係でしょうか?
清水:はい、就職先が浜松の会社だったんです。本当に縁もゆかりもない土地だったので、最初は知り合いも誰もいなかったんですよ。ちょうど宅録に目覚めていた時期だったので、“これからどうしようかな…”という感じでしたね。そうしたら、東京にいた頃の友だちがツアーで浜松に行った時にそのイベントを主催していたレコードショップを紹介してくれて。それでふらっと行ってみたのが、sone recordsでした。
●sone recordsの方と知り合ったことが1つのキッカケになった?
清水:そうですね。sone recordsの方が色々と良くしてくださって、イベントに誘ってくださったり、音源を配ってくださったりしたんです。自分の音源を入れたCDRに手書きの手紙を添えて10枚くらい預けておいたら、ちゃんと尊敬できるようなミュージシャンの方々に渡してくださっていて。そこから色んな人たちとの交流が始まりました。
●浜松に行ってから、人脈も広がったんですね。
清水:逆に東京では、そういうことがあまりなかったんです。ライブをやっても、わりとしょうもないライブに感じられて、つまらないから帰ってくるみたいな…そんなことばかりで。でも浜松に行ってみたら、どのライブに行っても退屈しないくらいの感覚があったんですよね。そういう部分でも、得たものは非常に大きかったと思います。
●自分自身も、浜松で生活する中で成長した部分があるのでは?
清水:それ以前は、人として未熟だったという感覚がすごくあって。そういった面でも、浜松での色んな人たちとの出会いは大きかったと思います。自分でお店をやっている人だったり、仕事を突然辞めて日本一周に出かけるような人だったり、色んな人たちと知り合えましたね。
●新しい価値観に出会ったというか。
清水:ライブに関しても、浜松は独特なところがあって。浜松にいる間に、いわゆる“ライブハウス”で演奏をしたのは2回くらいなんですよ。他は全部、本屋とかカフェとか、普段はそういうことをやる場所ではないところでライブをすることが多かったんです。“自分で面白いことをやっちゃおう!”みたいな空気のある街だったので、そこからの影響はかなり受けていると思いますね。
●面白いことをやりたいという意識が強い?
清水:“どうせ何かを作るなら、ひと笑い取りたいな”という気持ちがあるんですよね。“ひと笑い取りたい”と言うと語弊があるかもしれないんですけど、ウケて欲しいというか。
●ネタで笑いを取るという意味ではなく、聴いた人をクスッとさせるようなものを作りたいのかなと。
清水:そうですね。あと、“これをやったらどうなるんだろう?”という好奇心みたいなものは常にあります。そういう意味では“これ、面白くない?”みたいなものが自分にとって曲作りのモチベーションになっているのかもしれないです。



インタビュー 後編